File:No.000015
Since.2004.12.17

文・写真<Joji IKeda>


2004.12.5、新聞折込チラシを見て申し込んだTABIX主催の日帰りバスツアー(\3,000)にて、航空自衛隊創立50周年記念イベントの終盤を飾る、宮崎県児湯郡新富町の航空自衛隊新田原基地航空祭に行ってきました。
中学生の時に、システムソフトのパソコンゲームソフト「スーパー大戦略」(戦術シミュレーションゲーム)にのめりこんだのがきっかけで軍事機器に興味を持つようになり、もうすぐ軍隊として認可されそうな自衛隊のイベントにたびたび参加してきております。大学が宮崎だったため在学時に2回ほど同イベントを訪れたことがあり、1回目は車で行ったため大渋滞に巻き込まれ、宮崎市まで戻るのに4〜5時間かかった経験を生かし、2回目はバイクでスイスイ行ったものです。その頃から写真をバンバン撮り出していたものの、コンパクトカメラとレンズ付きフィルムの望遠タイプという装備であり、どでかい望遠レンズ搭載の一眼レフや、航空無線を拾うためのアマチュア無線機、撮影ポイント確保に役立つ脚立などを振り回すマニアの方々を、半分白い目で、半分うらやましく思っておりましたよ・・・。
◆地上展示1
F-15J Eagle
主力要撃戦闘機
新田原基地飛行教育航空隊
23飛行隊所属

F-4EJ改 Phantom
主力戦闘機
新田原基地第5航空団
301飛行隊所属
P-3C&YS-11
対潜哨戒機&輸送機
鹿屋航空基地所属
美保基地所属

UH-60J Black Hawk
救難・輸送ヘリ
鹿屋航空基地所属
新田原基地所属
前日までにフィルム購入や荷物のパッキング等をすませ、翌朝の目覚し時計を04:45に設定し、当日なぜか05:15起床!危うく寝過ごしそうな2度寝で気が動転し、1.朝食を取るのを忘れる、2.鹿児島中央駅の駐輪場でバイク駐輪料を2重に払ってしまう(後払いみたいです注意!)、3.帽子をバイクの荷台に忘れる、などのボケボケ振りをかましながら、コンビニでおにぎりを購入し、駅前の集合場所に時間10分前に到着。06:00出発予定が10分待っても3名集まらず、添乗員が連絡を入れると寝坊でキャンセルとのことだったので、06:10になんとか出発。添乗員に昨年は降り口の西都IC付近5km渋滞のため到着が11:50でしたので!と前置きされショックを受けるが、トイレ休憩を山之口PAで取る予定をその先の宮崎PAで取るなど機転を利かして頂いたため、西都IC料金所手前で1km・駐車場入口で数分の渋滞に巻き込まれただけで済み、なんと奇跡の09:10到着!しかも観光バス用の駐車場は基地内の地上展示すぐ手前でラッキーでした。
◆地上展示2
F/A18D Hornet 2機展示
ホーネット戦闘・攻撃機
アメリカ海兵隊所属
F-2B
次期支援戦闘機
福岡県築城基地
第6飛行隊所属
以前購入した航空ショーの専門誌(文林堂:エアショーガイド2004)に従い、手早く地上展示機の撮影とお土産購入を済ませ、10:10、シャトルバス(往復\300・随時60台運行)にて基地南側の駐車場に向かう。撮影に適した順光(太陽を背にして撮影すること)条件で、かつ滑走路の直前に設置されている駐車場には、滑走路に沿って望遠レンズを構え、脚立に乗ったカメラマンの大行列が!シャトルバスの乗降車スポットは4ヶ所あり、1から4まで2km離れてるということだったので、勘で3番(ちょうど基地管制塔の真正面)に降りると、ちょうど離着陸の瞬間が撮影できるベストボジション!結果は掲載のとおりです。120枚撮影しましたが、成功率は5割程度。やはり天気が良すぎて、光条件がシビアでしたかね。ちなみに今回の装備は、一眼レフカメラCanon EOS7に、広角短焦点レンズCanon EF24mmF2.8、標準ズームレンズTAMRON SP AF28-75mmF2.8XR、望遠ズームレンズCanon EF100-300mmF4-5.6、フィルムFuji SUPERIA Venus400×7本、デジタルカメラFuji Finepix50i、三脚Velbon ULTRA MAX i。そして最終兵器が、超軽量アルミ脚立2段60cm!(ニシムタN'sCITYにて購入)こいつがこの日の立役者だったことは言うまでもない。他に水筒や弁当などを加えると総重量5kg程度でしょうか。また今回の装備に関して、見る人が見れば分かると思いますが、航空機撮影には中途半端!の一言に尽きます。ただ、先ほど紹介した専門誌には135mmで十分と書いてありましたのでご参考まで・・・。
◆飛行展示
新田原基地では第5航空団301飛行隊に所属する日本初のF4EJ改部隊が主役。左は記念塗装機。
F-4EJ改ファントム2


F-15J/DJイーグル
上は記念塗装機の離陸、左は着陸
飛行教育航空隊、第23飛行隊所属

F-15DJ飛行教導隊
”アグレッサー”
飛行教導隊「アグレッサー」とは、全国のパイロットから選抜された超エリート達が仮想敵機となって、現役パイロット達に戦闘技術を教示するために作られた、新田原基地のみ存在する部隊である。複座型で特殊迷彩塗装が特徴。

航空自衛隊創立50周年記念祝賀飛行:T-4・F-4EJ改・F-15J・F-15DJアグレッサー
12:10、再び会場側にバスで戻り、ブルーインパルスの演技まで散策。装備品や武装等の展示をゆっくり楽しみながら、小腹がすいたらおにぎりを食べ、歩き疲れたら脚立に座って一休みという気ままな時間を楽しんでいると、陸上自衛隊による落下傘降下が強風のため中止とのアナウンス。これは昨年の陸上自衛隊国分駐屯地記念行事や、以前の新田原航空祭で見たことがあるのでまぁよいでしょう。輸送機からタンポポの種かくらげのようにふわふわ次々と降りてくるのが見どころなのですが。しかし海上自衛隊鹿屋航空基地航空祭に次いで今年2回目のブルーインパルス(アクロバット飛行チーム)は、澄み切った青空を存分に飛び回る最高の演技で大満足!演目や演技時間などが天候によってシビアに左右されるだけに、新技を含めたみっちり1時間以上の演技は大変興奮させてくれました。当日の天気予報は1週間前までは雨の予定で冷や冷やものでしたが、前日大雨だったものの当日は朝から雲一つない快晴で、まさに航空ショー日和。落下傘降下を中止に追い込んだ強風も、ブルーインパルスが描くスモークを速やかに流してくれたのが、災い転じて福と成すという感じでした。
◆屋内展示
航空自衛隊使用火器 航空自衛隊制服
武器・武装 F-15搭載エンジン
F-15Jイーグルを支柱で持ち上げ、風防や着陸装置、方向舵などを、油圧装置を使って動作説明を行っているところ。驚くほど精密に動くのを見て、伊達に1機130億円もしてないな、なんて妙に感心。目線で脚立が大活躍しているのが分かりますか?
◆地上展示3
81










右上、M167A1(地対空機関砲VADS)
右、記念撮影用F4EJ改。
帰りの集合時刻は特定せず、最終演目が終わり次第集合とのことだったので、演技終了と同時にバスへ向かってダッシュ。演技終了とは、ブルーインパルスが着陸して整列し、搭乗員紹介が終わって退機するまでと私は認識していたのだが、やはり他の皆さんは上空での演技終了が演目終了と認識していたようで(うすうす予想はしていたが)私は41名中ビリから5番目。うち2名がさらに15分ほど遅れたため観光バスの大渋滞に巻き込まれ、15:10出発も、基地を出るのに1時間(16:10)、高速道路に乗るのにさらに1時間(17:10)消耗する。しかし高速道路はきわめて快適で、山之口ICでトイレ休憩後、予定より30分遅れの19:30無事鹿児島中央駅に到着(ちなみに昨年は18:20着だそうです)。その足でダイエー鹿児島中央駅店のDPEにフィルム4本を現像に出し、アミュプラザ鹿児島で待機していた妻と合流後、食事・買い物を済ませて21:00の帰宅でした。お土産は絵はがきとカレーの非常用糧食、地鶏のもも焼きにF15のタイピン!昨年の国分駐屯地で90式戦車タイピンをゲットしたので、あとは海上自衛隊のイージス艦タイピンを購入すれば陸海空制覇!かな(そんなタイピンあるのか?)。
◆ブルー・インパルス
川崎T-4 Blue Impulse
ブルー・インパルス
宮城県松島基地
第4航空団第11飛行隊
航空自衛隊が誇る6機編成のアクロバット飛行チーム。2000年の墜落事故を乗り越え、見事に復活を遂げた。手前は予備機。
起死快晴の大空めがけ展示場所からゆっくりと滑走路へ。いつ見ても心躍る。
天候は文句無しの第1区分! 演技1「ダイヤモンドテイクオフ&ダーティターン」
演技5「チェンジオーバーターン」
演技7「レインフォール」&演技15「バーティカルキューピッド」
ブルー・インパルスの演技こそ最も頻繁に天候の影響を受け、演目が制限されたりもする。今日は第一区分という久しぶりのフルコース演技であり、これまでになかった新演目も加えて、万全の演技を披露した。これまで見たよりもキレが良かった様に感じたのは、気のせいだったのだろうか・・・?
←演技20「デルタループ」

新演目「さくら」&演技23「スタークロス」
ついついシャッターボタンを押してしまい、無駄写しが増えてしまいます。演技の最中に慌ててフィルム交換したあとの3枚。現像が遅れたため1ヵ月後の掲載となりましたが、青いキャンバスに見事なラインが描かれたことがお分かりでしょう・・・。
演技25「ローリングコンバットピッチ」→
・・・疲れました。けど、大満足!バスツアーは極めて、天候・道路状況等の「運」に左右されるみたいですね、安いけど。当日はTABIXだけでバスが3台でてましたし、会場には全九州、あるいは全国からバスだらけ。主催者発表では9万5千人の参加ということでした。土曜開催ならバイク自走で駆け付けたのですが、体力的・金銭的に自信がなかったためのバスツアー参加。申し込んだあとに、別の旅行会社(鹿児島交通観光)主催の前日23:00出発夜行プラン(\3,700)に気付いたのでこちらもよかったかなと思いましたが、\3,000にしては結果オーライでよい旅でした。乗務員の方々には心から感謝します。車内ビデオデッキの故障で音声が乱れがちだったのにはちょっと残念でしたが。また、本当は当日早朝から、全国各基地から駆け付けてくる着陸機の撮影と、終了後に撤収する地上展示機の離陸を撮影したかったのですが、これには時間と体力と金がかかりますので、またの機会に取っておくとしましょう。渋滞待ちのバスからちらりと見えた、今回の地上展示の目玉であった次期支援戦闘機三菱F-2Bが、福岡築城基地へ帰投する際、飛行性能をデモンストレーションするかのごとく猛烈な垂直上昇で去っていったのも、ちょい悔しかったですからね。最後に、せっかくの日曜を1人で送り出してくれた妻にも、感謝です。十分満足したので、しばらくはおとなしくしていることでしょう・・・。
◆おみやげ。
これが絵はがき10枚セットとカレーの非常用糧食、F15のタイピンです。地鶏のもも焼きは帰ってソッコー食べ尽くしたので撮り忘れでしたが、これこそ宮崎地鶏という感じで大変おいしかったです。あれ、きゅうり無かったな(分かる人は分かる)。
パンフがA2サイズだったので抜粋して掲載します。たぶん有効だと思うけど。私も欲しいです・・・。
★反省・参考点
・高速動体撮影(飛行中の戦闘機等)は、マニュアルフォーカスで待機に限る!AFが追いつきません。AIサーボを試せばよかったかな?もちろんズームリングをいじってフレーミングを決める暇もありません。こういう時は逆に単焦点レンズの方が良いのかもしれませんね。軽いし明るいし。
・撮影モードをほとんどPとスポーツモードしか使わなかったのが、手を抜きすぎ。すっかり忘れてました。また、相変わらず同じカットが多いです!もったいない。もっと考えながら撮ろうねぇ。
・早朝はエプロン(会場)左側(東側)からの撮影が有効。日中は南側駐車場、午後からは右側(西側)からが撮影しやすい。当たり前か。エプロンからのブルーインパルスは完全逆光です!
・地上展示機は早めに撮影しておかないと、午後からはブルーインパルスの離陸準備や所属基地への帰還準備のため、すべての展示機から遠ざけられてしまうので注意。
プログラム
演 目(参加部隊) 参加機体 時 間 概 要
1.オープニングフライト
(301SQ・教導隊・救難隊・23SQ)
F4×1・T4×1
F15×2
08:30〜08:40 オープニング・セレモニー
2.機動飛行(教導隊) F15×2 08:45〜09:10 最大性能発揮による飛行
3.訓練飛行 F1×2・F4×2 09:15〜09:45 模擬対地攻撃
4.救難展示 UH60×1・U125×1 09:50〜10:15 救難活動の一連の動きの紹介
5.機動飛行(301・23SQ) F4×3・F15×2 10:20〜11:05 最大性能発揮による飛行
6.祝賀飛行
 (基地所在全飛行隊)
F4×5・T4×5
F15×10
11:40〜11:45 航空自衛隊創立50周年
記念行事祝賀飛行
7.空挺降下(輸送隊) C1×1 13:00〜13:30 第1空挺団による落下傘降下
8.ブルー・インパルス T4×6 13:40〜14:50 華麗なる曲技飛行
資 料(注:マニア向け。誤記はやさしく注意してね♪)
地上展示機
機種・用途・所属 概 要
F-2B<次期支援戦闘機:複座型>
福岡県築城基地:第6飛行隊
1 米空軍のF-16Cをベースにアメリカと共同開発して現在配備中の、F-1後継機。
F-15Jイーグル<主力・要撃戦闘機>
新田原基地:第23飛行隊
3 記念撮影用・コクピット展示用・飛行教導隊所属迷彩塗装機(灰色)。
F-4EJ改ファントム2<戦闘機>
新田原基地:第301飛行隊
3 記念撮影・コクピット展示・空自50周年記念塗装機。
RF-4EJファントム<偵察機>
茨城県百里基地:偵察飛行隊・第501飛行隊
1 F-4EJをベースに、カメラや電子機器を取り付けた偵察機。空自50周年記念塗装機。
三菱F-1<支援戦闘機>
福岡県築城基地:第8航空団・第6飛行隊
1 空自50周年記念塗装機。退役中。
川崎T-4<中等練習機>
ブルーインパルス:宮城県松島基地・第11飛行隊
記念塗装機:福岡県芦屋基地・第12飛行教育団
8 アクロバット飛行チーム・ブルーインパルス×7機、空自50周年記念塗装機。
富士T-1B<ジェット練習機>
愛知県小牧基地:第5術科学校
1 空自50周年記念塗装機。
E-2Cホークアイ<早期警戒機>
青森県三沢基地:警戒航空隊601飛行隊・第1飛行班
1 空自50周年記念塗装機。レーダー哨戒任務。
U-125<飛行点検機>
埼玉県入間基地:飛行点検隊
1 空自50周年記念塗装機。
U-125A<救難捜索機>
宮崎県新田原基地:新田原救難隊
1 通常展示。
T-400<輸送機・救難練習機>
鳥取県美保基地:第41教育飛行隊
1 空自50周年記念塗装機。
C-1<中型ジェット輸送機>
埼玉県入間基地:第2輸送航空隊・402飛行隊
1 空自50周年記念塗装機。
YS-11P<プロペラ輸送機>
鳥取県美保基地:第3輸送航空隊・403飛行隊
1 空自50周年記念塗装機。旅客機でおなじみ。
P-3C<対潜哨戒機>
海上自衛隊鹿児島県鹿屋航空基地
1 海上自衛隊。
UH-60Jブラックホーク<救難・輸送ヘリコプター>
海上自衛隊鹿屋航空基地・新田原基地救難隊
2 海上自衛隊救難塗装・航空自衛隊輸送塗装。
CH-47Jチヌーク<輸送ヘリコプター>
福岡県春日基地:ヘリ空輸隊
1 内部展示用。
F/A-18Dホーネット<戦闘・攻撃機>
アメリカ海兵隊:空母艦載機
2 今年はお忙しいようで、米軍機はこれだけ。
81式短距離地対空誘導弾<地対空ミサイル装置>
新田原基地:第5航空団
2 照準体験用。ケーブル越しの照準装置に連動して砲台が自由に動くのがスゴイ!
M167A1<地対空機関砲VADS>
新田原基地:第5航空団
2 通常展示。
91式携SAM<携帯式地対空ミサイル>
陸上自衛隊
4 記念撮影用。ヘルメットやベストを着用できた。
屋内展示機
機種・用途・所属 概 要
F-15Jイーグル<主力・要撃戦闘機>
新田原基地:第23飛行隊
2 油圧駆動展示・武装展示用。
F-4EJ改ファントム2<戦闘機>
新田原基地:第301飛行隊
1 武装展示用。
富士T-7<初等練習機>
山口県防府北基地:第12飛行教育団
1 エンジン展示用。
ほか、武器・武装・エンジン展示、制服展示、救難設備展示、新潟県被災地写真展、音楽隊など。

新田原基地概要:〒889-1492 宮崎県児湯郡新富町大字新田19581 TEL:0983-35-1121
 第5航空団:F-4の操縦教育・西部防衛区域における警戒待機等。整備補給群・基地業務群含む。
 飛行教導隊:戦闘機操縦者及び兵器管制官に対する戦技・戦法の指導。通称アグレッサー。
 飛行教育航空隊:F-15の操縦教育。
 西部航空施設隊第2作業隊:飛行場施設の維持等。
 新田原救難隊:災害派遣・空中輸送・事故航空機の搭乗員捜索・救助等
 新田原管制隊・気象隊・警務隊・情報保全隊
 ★参考資料
 文林堂(エアショーガイド2004)・講談社(戦闘機デラックス)・成美堂出版(徹底図解 陸・海・空自衛隊)

 航空自衛隊ホームページ http://www.jda.go.jp/jasdf/
 新田原基地ホームページ http://www.jda.go.jp/jasdf/nyutabaru/index.htm
 ブルー・インパルス http://www.jda.go.jp/jasdf/blue/blue.htm
 ブルー・インパルス応援サイト11SQ.NET http://www.11sq.net/
 自衛隊装備品図鑑 http://www.yuri.sakura.ne.jp/~right/equipment/top/zukantop.html


 2004新田原航空祭紹介ページ
 蒼空への回廊 ファントム応援団 MASDF